「この子は頑張っているのに、なかなか結果につながらない」発達支援や特別支援の現場では、こう感じる場面が少なくありません。
アイブレイン・メソッドの田村です。この記事では、「頑張っているのにできない子ども」に対して、どのような視点で関われば良いのかを、“見る力”(視覚機能)という観点から分かりやすく解説します。
発達障害や学習障害、グレーゾーンの子どもへの支援に関わる指導者や保護者が、「努力不足」とは違う本当の原因を理解し、支援の方向性を見直すための記事です。
■ はじめに:「頑張っているのにできない」は珍しくない
発達支援の現場では、
・何度も練習している
・真面目に取り組んでいる
・一生懸命頑張っている
それでも、
・読めない
・書けない
・集中できない
子どもがいます。
すると周囲は、「もっと頑張ればできる」と考えてしまうことがあります。しかし、実際には、本人はすでに十分頑張っている場合があります。問題は、“努力”ではなく、“負担”にあることが少なくありません。
■ 「できない」には理由がある
子どもが何かをするときには、
・見る
・聞く
・理解する
・行動する
という流れがあります。
しかし、この最初の「入力」の段階で負担があると、その後の行動すべてが苦しくなります。特に大きく関係するのが、“見る力”(視覚機能)です。
見ることに負担があると、
・読むだけで疲れる
・板書で止まる
・集中が続かない
といった状態が起こります。
つまり、「やる気がない」のではなく、“やる前に疲れている”ケースがあるのです。

■ ある子どものケース
ある小学生の男の子は、非常に真面目な子でした。先生の話も聞いていましたし、宿題も頑張っていました。
しかし、
・音読が遅い
・板書が終わらない
・途中で集中が切れる
という状態が続いていました。
周囲からは、「もっと集中しよう」と言われることもあったそうです。しかし実際には、“見る力”に大きな負担がかかっていました。
■ 本人は「頑張っていない」のではなかった
この子は、頑張っていなかったわけではありません。むしろ、見えにくい負担の中で、必死に頑張っていたのです。
特に、
・視線を維持する
・必要な情報を探す
・見た情報を整理する
ことに大きなエネルギーを使っていました。つまり、学習の入口で疲れていたのです。この状態では、いくら努力しても、最後まで力を出し切ることが難しくなります。
■ 最初に必要なのは「もっと頑張れ」ではない
このケースで最初に必要だったのは、「もっと頑張ること」ではありませんでした。
まず必要だったのは、“負担を減らすこと”です。
具体的には、
・見やすく整理する
・短時間で行う
・視線を安定させる
といった支援を行いました。すると、少しずつ変化が出始めました。
■ 少しずつ起きた変化
最初は小さな変化でした。
しかし、
・最後まで取り組める
・途中で止まりにくくなる
・疲れにくくなる
ようになっていきました。
さらに、「できた」経験が増えることで、子どもの表情や意欲も変わっていきました。
ここで重要なのは、「能力が急に上がった」わけではないことです。“力を出しやすい状態”を整えたことで、本来持っていた力を使えるようになったのです。
■ 「頑張っている子」ほど見落とされやすい
実は、頑張っている子ほど、負担が見えにくいことがあります。
なぜなら、本人が我慢してしまうからです。
・何とかついていこうとする
・周囲に合わせようとする
・注意されないよう頑張る
こうした姿勢があるため、周囲は、「できるはず」と思ってしまうことがあります。しかし実際には、かなり無理をしている場合があります。
■ 発達障害・学習障害との関係
発達障害や学習障害、グレーゾーンの子どもたちは、視覚機能に大きなばらつきがあることがあります。
そのため、
・頑張っているのに成果が出ない
・練習しても疲れる
・最後まで続かない
といった状態につながる場合があります。
もちろん、すべてが視覚機能だけで説明できるわけではありません。ですが、“見る力”という視点を持つことで、支援の方向性が変わるケースがあります。
■ 関わり方で大切なこと
「頑張っているのにできない子」に対して大切なのは、結果だけを見ることではありません。
まず必要なのは、
・どこで疲れているのか
・何に負担があるのか
・どこで止まっているのか
を見ることです。
つまり、「もっとやらせる」前に、“状態を理解する”ことが重要なのです。
■ 支援は「原因」から考える
発達支援や特別支援では、結果に目が向きやすくなります。
しかし本当に重要なのは、“原因”を見ることです。
・なぜ読めないのか
・なぜ集中できないのか
・なぜ止まってしまうのか
その背景を見ることで、支援の方向性は大きく変わります。
■ まとめ:「頑張り」ではなく「負担」を見る
「頑張っているのにできない子」を支援するときに大切なのは、“努力不足”と考えないことです。
まず必要なのは、
・どこに負担があるのか
・何が苦しいのか
・どこから整えるべきか
を見ることです。
発達支援や特別支援では、「もっと頑張る」前に、“土台”を見ることがとても重要です。
もし今、
・頑張っているのに変わらない
・努力しているのに結果が出ない
・何をすればいいか分からない
そう感じているなら、“見る力”という視点から見直してみてください。そこに、支援を変えるヒントが隠れていることがあります。
■ 「頑張っているのにできない」の背景を、“見る力”という視点から見直してみませんか?
「努力しているのに変わらない」「頑張っているのに結果が出ない」
その背景には、“見る力”(視覚機能)の課題が関係していることがあります。
