ビジョントレーニングの正しい始め方と3つのステップ

ビジョントレーニングの正しい始め方と3つのステップ 〜“見る力”を整える発達支援の実践アプローチ〜

ビジョントレーニングは、子どもの“見る力”(視覚機能)を整え、読み書きや集中の困りごとを改善するための有効な方法です。しかし、正しい順番や進め方を理解せずに始めてしまうと、十分な効果が得られないことがあります。

アイブレイン・メソッドの田村です。
この記事では、発達障害や学習障害、グレーゾーンの子どもたちへの支援に役立つ、ビジョントレーニングの正しい始め方と3つのステップを分かりやすく解説します。現場の指導者や保護者がすぐに実践できる具体的な考え方をまとめています。


■ はじめに:なぜ「始め方」が重要なのか

ビジョントレーニングは、“見る力”(視覚機能)を整えるための有効な支援方法です。しかし、「とりあえずやってみる」という形で始めてしまうと、思うような効果が得られないことがあります。

発達支援や特別支援の現場では、
「ビジョントレーニングをやっているのに変わらない」
という声も少なくありません。その多くは、方法ではなく「始め方」と「順番」に原因があります。

ビジョントレーニングは、正しい順番で行うことで初めて効果を発揮します。この記事では、その基本となる考え方と具体的な進め方を解説します。


■ ビジョントレーニングとは何か

ビジョントレーニングとは、“見る力”(視覚機能)を整えるためのトレーニングです。

単に目を鍛えるものではなく、
・眼球運動
・視覚認知
・情報処理
といった“見る力”全体を対象としています。

これらがスムーズに働くことで、
読む、書く、集中する
といった学習や行動が安定していきます。

つまり、ビジョントレーニングは「結果」を変えるアプローチではなく、「土台」を整えるアプローチです。


■ なぜうまくいかないケースがあるのか

ビジョントレーニングがうまくいかないケースには、共通する原因があります。それは、「順番が適切でない」ことです。

例えば、
・難しいトレーニングから始める
・課題に合っていない内容を行う
・いきなり成果を求める

こうした場合、子どもに負担がかかり、継続できなくなります。

重要なのは、「どの段階から始めるか」です。


■ 正しい始め方の基本原則

ビジョントレーニングを始める際には、次の3つの原則が重要です。

① 無理をさせない
② 短時間で行う
③ 継続できる形にする

特に発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、負担が大きいと継続が難しくなります。

そのため、「簡単すぎるくらい」から始めることがポイントです。

ビジョントレーニングの正しい始め方と3つのステップ


■ ステップ① 状態を確認する(アセスメント)

最初のステップは、「確認」です。

・視線は安定しているか
・文字を正しく追えているか
・どこで負担がかかっているか

これらを把握することで、適切なトレーニングの方向が見えてきます。ここを省略してしまうと、的外れな取り組みになってしまう可能性があります。まずは、「今どの状態にあるのか」を理解することが出発点です。


■ ステップ② 基礎を整える(眼球運動)

次に行うのが、基礎となる機能の改善です。

最も重要なのが「眼球運動」です。

・視線をスムーズに動かす
・対象を正確に追う
・視線を止める

これらが安定していないと、読み書きの負担が大きくなります。

この段階では、シンプルな動きを中心に行います。

例えば、
・ゆっくり動く対象を目で追う
・左右に視線を動かす

などです。

ここを丁寧に整えることで、その後の変化が大きくなります。


■ ステップ③ 応用へつなげる(認知・処理)

基礎が整ってきたら、次は応用です。

・文字をまとまりとして捉える
・必要な情報を見つける
・見たものを理解する

といった段階に進みます。

このステップでは、実際の学習に近い形のトレーニングを取り入れていきます。

ただし、ここでも無理は禁物です。段階的に進めることで、スムーズな変化につながります。


■ よくある失敗と注意点

ビジョントレーニングでよくある失敗は次の通りです。

・難しいことから始める
・長時間行う
・結果を急ぐ

これらは、継続を妨げる原因になります。

また、「できる/できない」で評価してしまうと、子どもの負担が大きくなります。重要なのは、「変化のプロセスを見ること」です。


■ 現場と家庭での活用ポイント

ビジョントレーニングは、特別な場所だけで行うものではありません。現場でも家庭でも活用できます。

・短時間で行う
・習慣化する
・できたことを認める

この3点を意識することで、無理なく続けることができます。

また、指導者と保護者の情報共有も重要です。同じ視点で関わることで、支援の効果は高まります。

「できた」という経験を積み重ねることが、次の変化につながります。


■ まとめ:正しい順番が結果を変える

ビジョントレーニングの効果を高めるためには、正しい始め方が重要です。

・確認する
・基礎を整える
・応用につなげる

この3つのステップを意識することで、無理のない改善が可能になります。

発達支援や特別支援において大切なのは、「何をするか」だけではありません。「どの順番で行うか」が、結果を大きく左右します。

もし今、取り組んでいるのに変化が見られない場合は、一度「始め方」と「順番」を見直してみてください。そこに、変化のヒントがあるかもしれません。

次の記事では、
「実際にどのように変化したのか」を具体的な事例で解説します。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的診断や治療を行うものではありません。必要に応じて、医師や専門家にご相談ください。