子供の集中力不足や学習のつまずきは、行動や努力の問題だけではありません。このブログ記事では、視覚機能、いわゆる”見る力”が認知機能や脳のはたらきと深く関係していることを分かり易く解説しています。
こんにちは、アイブレイン・メソッドの田村です。
私たち人間が得る情報の多くは目から入り、その質が認知や判断、そして行動に影響します。発達障害やグレーゾーンの子供に見られるさまざまな困りごとも、情報入力の弱さが原因であることが少なくありません。結果だけを修正しようとするのではなく、視覚機能から支援を考える大切さを、指導者・教職員・保護者の皆さんに向けてご提案します。
■ はじめに|「見えているはず」から始まる落とし穴
指示が伝わらない、集中が続かない、ミスが多い...そんな困りごとはありませんか?
発達支援や特別支援の現場、家庭では、子供の言動が気になる場面が多くあると思います。その多くは、行動や学習の結果として目に見えるだけに、指摘されやすい特徴です。
しかし、結果だけに目を向けた支援では、改善につながりにくいことがあります。ビジョントレーナー育成講師としての立場から私が強く感じるのは、”見る力”への理解不足が支援を難しくしていることが多いことです。
■ ”見る力”とは何か?|視力だけではない視覚機能の正体
”見る力”とは、単に視力が良い悪いという話ではありません。視覚機能とは、目で情報を正確に受け取り、脳へ送る力の総称です。
具体的には、
①焦点を合わせる力
②目を動かす力
③形を捉える力
があります。さらに、
④見た情報を脳で整理し意味づけする力
も含まれます。
これらが連携して初めて、私たちは「見て理解する」ことができます。視覚機能が弱いと、情報入力の段階でつまずいてしまいます。
■ 視覚機能と認知機能の深い関係
視覚から入った情報は、脳で認知され、判断や行動につながります。つまり、視覚機能は認知機能の土台とも言える存在です。見たものを比べる、選ぶ、覚えるといった認知の働きは、正確な視覚情報が前提です。
情報が不正確なまま脳に届けば、認知にもズレが生じます。その結果、行動や学習のミスとして表面化します。これは努力不足や意欲の問題ではない場合が多いのです。
■ 情報入力の弱さが引き起こす困りごと
子供の困りごとには、「最初の情報入力」に原因があることがあります。黒板の文字が追えない、ノートが写せないといった例が典型です。指示を聞いても行動が遅れるのは、視覚情報処理の弱さかもしれません。
”見る力”が弱いと、常に脳が補正作業を強いられます。その結果、集中力が続かず、疲れやすくなります。これが「落ち着きがない」と誤解されることもあります。

■ 発達の凸凹と視覚機能
発達障害やグレーゾーンの子供には、発達の凸凹が見られます。得意なことと苦手なことの差が大きいのが特徴です。この凸凹の背景に、視覚機能の未成熟が隠れていることがあります。
学習障害と診断されるケースでも、視覚の使いづらさが関係します。文字の認識や読み書きの困難さは、その代表例です。支援を進める際には、ぜひ視覚機能の評価から始めることをおすすめします。
■ 脳の発達と視覚情報の重要性
私たち人間は、とても未熟な状態で生まれてきます。脳も例外ではありません。出生後、長い年月をかけて、脳は情報を取り込みながら発達します。脳の発達には、質の高い情報入力が欠かせません。
人が集める外界情報の8割以上は、視覚から得られると言われています。つまり、”見る力”は脳の発達を支える重要な要素です。視覚機能が育たなければ、脳の発達や働きにも影響が出ます。
■ 集中力と”見る力”の関係
集中力が続かない子供は、視覚機能に課題を抱えていることがあります。見えづらさがあると、脳は常に余計なエネルギーを使います。その状態では、長時間の学習や作業は困難です。
本人は頑張っているつもりでも、疲労が先に出てしまいます。この状態で反復練習を強いると、自己肯定感を下げかねません。まずは、”見る力”の負担を減らす支援が必要だと感じます。
■ 指導者・教職員に意識して欲しい視点
指導者や教職員の皆さんには、子供たちの行動の背景を考える視点を持っていただきたいです。「なぜできないのか」を多角的に見ることが重要です。
視覚機能の弱さは、外からは見えにくい特徴です。そのため、見過ごされやすく誤解を生みやすいのです。支援の第一歩は、評価と気づきです。”見る力”への配慮が、支援の質を大きく変えると考えます。
■ 保護者に知っておいて欲しい大切なこと
保護者は、日常生活の中で子供の変化に気づきやすい存在です。宿題を嫌がる、すぐ疲れるといった様子は重要なサインです。叱る前に、「見え方」に目を向けてみてください。
視覚機能の課題は、適切な支援で改善が期待できます。早期に気づくことで、二次的な問題を防ぐことにもつながります。家庭と支援者の連携が、子供を支える力になります。
■ ビジョントレーニングという選択肢
ビジョントレーニングは、視覚機能を高めるための方法です。遊びや運動を通して、無理なく”見る力”を育てます。基本的な部分に関しては、簡単な知識さえあれば誰でも取り組める支援です。
視覚機能が整うことで、認知や行動にも良い変化が現れます。集中力や学習への意欲が向上するケースも多くあります。新たな支援の方法として注目され、急速に広がりつつあります。
■ ”見る力”から始める発達支援の提案
困りごとの改善には、順序があります。
・まずは、情報入力である視覚機能に目を向けることです。
・次に、脳での認知や判断を整理します。
・その上で、行動や学習への支援を行います。
この流れを意識することで、支援は効果的になります。
”見る力”を土台にした支援を、ぜひ取り入れてみてください。
■ まとめ|結果ではなく原因に目を向ける支援へ
子供の行動や学習の困りごとは、目で見える結果だけでは判断できません。その背景には、視覚機能という見えにくい要因があります。
困りごとを軽減しよう、改善しようとする際には、原因を探る視点として視覚機能”見る力”に目を向けてみることが必要です。
”見る力”は、認知機能や脳のはたらきと深く関係しています。視覚機能から支援を考えることで、子供の可能性は広がるはずです。指導者、教職員、保護者の皆さんが同じ視点を持つことをご提案します。
※この記事は、情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
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