「読むのが遅い」「すぐ疲れる」「本を嫌がる」。
こうした困りごとの背景には、“見る力”(視覚機能)の課題が隠れていることがあります。
アイブレイン・メソッドの田村です。
本記事では、3行読むのに5分かかっていた子どもが変化した実際の事例をもとに、ビジョントレーニングの効果と正しい支援の順番を分かりやすく解説します。
発達障害や学習障害、グレーゾーンの子どもへの支援に関わる指導者や保護者が、明日からの関わり方を見直すヒントとなる内容です。
■ はじめに:「頑張っているのに変わらない」という現実
「毎日練習しているのに読めるようにならない」
「頑張っているのに変化がない」
発達支援や特別支援の現場では、このような悩みを抱える子どもや保護者は少なくありません。
今回ご紹介するのは、まさにそのようなケースです。
■ あるお子さんのもとの状態
その子は、小学校低学年の女の子でした。
・文章を読むのに非常に時間がかかる
・3行読むのに5分以上かかる
・すぐに疲れてしまう
・読むこと自体を嫌がる
保護者の方は、「もっと練習が必要だ」と考え、毎日音読を続けていました。
しかし、状態はほとんど変わりませんでした。
■ 最初に行ったこと:「読む練習」ではなかった
相談を受けて、このケースで最初に行ったのは、読む練習ではありません。
「見る力(視覚機能)」の確認です。
具体的には、
・視線がスムーズに動いているか
・文字を正しく追えているか
・どこで負担がかかっているか
を丁寧に見ていきました。
その結果、視線の動きに課題があることが分かりました。
■ 問題の本質:「読む前に疲れている」
この子は、「読むこと」が苦手だったのではありません。
その前の段階、つまり「見ること」に大きな負担がかかっていました。
・視線が安定しない
・文字を正確に追えない
・見失いやすい
その結果、「読む前に疲れている」状態になっていたのです。
この状態でいくら読む練習をしても、改善は難しくなります。
■ 取り組んだシンプルなこと
そこで行ったのが、ビジョントレーニングです。
ただし、特別なことはしていません。
・短時間(1回数分)
・無理のない範囲
・毎日少しずつ
これだけを意識しました。
内容もシンプルです。
・ゆっくり動く対象を目で追う
・左右に視線を動かす
・止める・動かすを繰り返す
まずは「見ること」を整えることに集中しました。
■ 変化のプロセス(ここが重要です)
変化はすぐには出ませんでした。
しかし、少しずつ確実に変わっていきました。
<1週間後>
指でなぞりながらなら読めるようになる
<2週間後>
鉛筆でなぞりながらスムーズに読める
<3週間後>
目だけでゆっくり読めるようになる
<数週間後>
読むスピードが明らかに向上
そして、
自分から本を読むようになったのです。

■ なぜ変わったのか
理由はとてもシンプルです。
「順番を変えた」からです。
・いきなり読む → ✕
・見る力を整える → ○
読む前に、「見ること」を整えたことで、無理なく変化が起きました。
■ この事例が示していること
この子は、決して努力が足りなかったわけではありません。
むしろ、十分すぎるほど頑張っていました。
それでも変わらなかったのは、原因にアプローチできていなかったからです。
つまり、
問題は「やり方」ではなく「順番」だったのです。
■ よくある誤解
このようなケースでは、次のように考えられがちです。
・練習が足りない
・もっと頑張る必要がある
・集中力の問題
しかし実際には、
“見る力”(視覚機能)の問題であることも少なくありません。
■ 支援の本質:「何をするか」ではない
重要なのは、「何をするか」ではありません。
「どこから始めるか」です。
発達支援や特別支援においては、
「入力(見る)→出力(読む・書く)」
の順番が非常に重要になります。
■ まとめ:変化は“順番”で決まる
今回の事例が示しているのは、とてもシンプルなことです。
・原因を見極める
・順番を整える
・無理なく続ける
この3つがそろうことで、結果は大きく変わります。
もし今、
頑張っているのに変わらない
何をやっても成果が出ない
と感じているのであれば、
一度、「見る力」という視点から見直してみてください。
そこに、大きな変化のヒントがあるかもしれません。
‐同じような悩みをお持ちの方へ‐
“見る力”という視点から支援を見直すことで、変化が生まれるケースがあります。
体系的に理解したい方へ
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的診断や治療を行うものではありません。必要に応じて、医師や専門家にご相談ください。

