家庭では何をすればいいの?と悩んでいる保護者

家庭では何をすればいいの?と悩んでいる保護者へ 〜発達障害・グレーゾーンの子供のためのビジョントレーニングの始め方〜

「ビジョントレーニングが良いらしい。」

そう聞いて調べ始めたものの、

・何をやればいいのか分からない
・種類が多すぎる
・本当に必要なのか不安
・続けられる気がしない

そう感じて止まってしまう保護者は少なくありません。

アイブレイン・メソッドの田村です。私はこれまで、発達障害や学習障害、グレーゾーンの子どもへの発達支援に関わる中で、多くの保護者や指導者と接してきました。

その中で強く感じるのは、「頑張りすぎてしまう保護者が多い」ということです。ですが実際には、ビジョントレーニングは「たくさんやること」が重要なのではありません。

大切なのは、

・困りごとの原因を見極めること
・その子に合った支援を行うこと
・無理なく続けること、です。

この記事では、家庭でビジョントレーニングを始めるときに大切な考え方を、分かりやすく整理してお伝えします。


■ ビジョントレーニングの前に必要なこと

保護者の方は、「何かやらなければ」という気持ちになりやすいものです。

特に、

・読むのを嫌がる
・集中できない
・板書が遅い
・すぐ疲れる

そんな様子を見ると、不安になるのは当然です。

しかし、最初に必要なのは、“トレーニング”ではありません。まず大切なのは、「原因がどこにあるのか」を見ることです。

例えば、

・視線を動かすことが苦手なのか
・必要な場所を見続けにくいのか
・見た情報を整理しにくいのか

によって、必要な支援は変わります。

つまり、「困りごと」だけを見ていても、適切な支援にはつながりにくいのです。


■ “見る力”は視力だけではない

ここで重要になるのが、“見る力”(視覚機能)です。

多くの人は、「目が悪くなければ見えている」と考えます。

しかし実際には、

・視線を動かす
・必要な場所を見る
・情報を整理する

といった働きも重要です。

例えば、文字は見えていても、

・行を飛ばす
・途中で止まる
・読んでも疲れる

状態になることがあります。

つまり、「見えている」と「うまく使えている」は別なのです。


■ 最初から全部やる必要はない

保護者の方が最も悩みやすいのが、「何をやればいいのか分からない」という部分です。

今はインターネットやSNSでも、多くのビジョントレーニングが紹介されています。しかし実際には、全部やる必要はありません。むしろ、多すぎると続かなくなります。大切なのは、“困りごとの原因に関係するもの”を選ぶことです。

例えば、

・文字を追いにくい
・読む途中で止まる

子どもなら、

動くものを目で追う練習を一つだけ。

・板書が苦手
・見失いやすい

なら、視線移動をサポートする内容を一つだけ。

それで十分な場合があります。

家庭では何をすればいいの?と悩んでいる保護者


■ 家庭では「続けられること」も重要

発達支援では、「正しい方法」に加えて、「続けられること」が非常に重要です。

特に家庭では、

・保護者も忙しい
・子どもが嫌がる
・毎日時間が取れない

ことがあります。

そのため、最初から完璧を目指さないことが大切です。

例えば、

・1日3分
・一つだけ
・できたら終わり

くらいでも十分です。

大切なのは、「嫌な時間」にしないことです。


■ 子どもによっては「遊び」に変える

ここは非常に重要です。
一般的に紹介されている“トレーニング”は、そのままだと難しいことがあります。

特に、年齢が低い子どもや、発達障害・グレーゾーンの子どもでは、「訓練」という形が負担になることがあります。

その場合は、“遊び”に変える判断も必要です。

例えば、

・ボール遊び
・風船遊び
・シール探し
・おもちゃを目で追う

などです。

実際には、「楽しみながら目を使っている」状態を作ることが大切なのです。


■ 「できない」を責めない

家庭で支援をしていると、つい、「もっとちゃんとして」と言いたくなることがあります。

しかし、子ども自身も、うまくできずに困っている場合があります。特に、“見るだけで疲れる”状態では、努力を増やすほど苦しくなることがあります。

だからこそ重要なのは、「もっと頑張らせる」ことではなく、“やりやすい状態”を整えることです。


■ 保護者が抱え込みすぎないことも大切

家庭での支援では、保護者が一人で頑張りすぎてしまうことがあります。しかし、発達支援は、家庭だけで抱え込む必要はありません。

もし、

・発達支援学級
・放課後等デイサービス
・支援機関

につながっているなら、ぜひ情報交換をしてみてください。

例えば、

・学校ではどう見えているのか
・どんな場面で困っているのか
・どんな支援が合っているのか

を共有することで、支援の方向性が見えやすくなります。


■ 指導者との連携で変わること

放課後等デイサービスや特別支援に関わる指導者は、家庭とは違う場面を見ています。

そのため、

・授業では集中できない
・学校では疲れている
・特定の活動だけ苦手

など、家庭では気づきにくい情報を持っていることがあります。逆に、家庭での様子を共有することで、現場側も支援しやすくなります。

発達支援では、「一人で頑張る」より、「一緒に見る」ことが非常に重要です。


■ ビジョントレーニングは「万能」ではない

ここも誤解されやすい部分です。ビジョントレーニングは、すべてを解決する方法ではありません。

発達障害や神経発達症、学習障害の困りごとには、

・感覚
・認知
・環境
・心理面

など、多くの要素が関係します。

ですが、“見る力”に負担がある子どもでは、支援の方向性が変わることがあります。だからこそ、「全部やる」ではなく、「必要なことを見極める」ことが大切なのです。


■ 家庭で大切なのは「安心感」

最後に、最も大切なことをお伝えします。

家庭での支援で重要なのは、“安心感”です。

子どもは、

・責められない
・認めてもらえる
・安心して挑戦できる

環境の中で、少しずつ変わっていきます。

そのため、「早く改善させる」ことより、「安心して取り組める」ことを大切にしてください。


■ まとめ:まずは「原因を見ること」から始める

ビジョントレーニングを始めようとすると、「何をやればいいのか」に意識が向きやすくなります。

しかし本当に大切なのは、

・困りごとの原因を見ること
・状態を整えること
・その子に合った方法を選ぶこと、です。

そして、全部やる必要はありません。まずは、一つか二つ、無理なく続けられることから始めてみてください。

発達支援や特別支援では、「もっと頑張る」前に、“やりやすい状態”を整えることが非常に重要です。

もし、今、「家庭で何をすればいいのか分からない」と感じているなら、まずは、“見る力”という視点から、子どもの状態を見直してみてください。そこに、支援を変えるヒントが隠れていることがあります。


※本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的診断や治療を行うものではありません。必要に応じて、医師や専門家にご相談ください。

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