青森県のA子さんは、発達障害の娘の支援に悩む中で、視覚機能の重要性を知りビジョントレーニングを学び始めました。娘の「見え方」が違うと気づき、半年間の実践で読み書きや生活面に改善が見られました。最も変わったのはA子さん自身の視点で、「どうしてできない?」から「どう見えている?」へと支援の質が大きく変わりました。

こんにちは、『アイブレイン塾』代表の田村哲也です。
このブログ記事では、ビジョントレーニングを学んだことで自身の大きな変化に気付いた発達支援の指導者であり発達障害児の保護者でもあるA子さんと娘さんの半年間の物語を紹介しています。
A子さんは、ビジョントレーニングのオンライン教室の受講生の一人。学んだことを活かして、半年間にわたってコツコツと娘さんの支援をつづけた結果、「嬉しい変化と大きなきづきがありました。」と知らせてくださいました。
ぜひ多くの方にご紹介したいと思い、ブログ記事にしました。ぜひお読みください。
青森県に住むA子さんは、放課後デイサービスで働く指導者。
同時に、発達障害を持つ小学2年生の娘さんを育てるお母さんでもあります。
仕事でも家庭でも、発達支援に向き合い続ける日々を送っていました。
■学び続けてきた“つもり”だった
A子さんはこれまで、発達障害や発達の凸凹について数多くの研修に参加してきました。多くの書籍も読み、支援の経験も豊富。自分なりに十分理解しているつもりでした。
A子さんの娘さんはLDと診断され、読み書きに困難があります。食事のこぼし、整理整頓の苦手さなど、日常生活でもさまざまなつまずきがありました。学校でも家庭でも、その困難さは次第に目立つようになっていました。
放課後デイでは同じような子どもたちを丁寧に支援してきたA子さん。しかし、娘さんには同じようには接することができませんでした。
「どうしてできないの?」ストレスが溜まり、気づけば口をついて出てしまうその言葉。保護者としての焦りが先に立ち、冷静さを失ってしまう自分がいたのです。
■転機になった“同僚からのひと言”
そんなある日、同僚からこんな話を聞きました。「発達障害の子どもには視覚機能の弱さが多いよね。ビジョントレーニングが役に立つこともあるらしいよ。」
視覚機能の弱さは学習や行動に大きく影響します。目から入る情報は、私たちが得る情報の80%以上を占めていると言われるほどです。
A子さんは「もしかしたら娘にも視覚の問題があるのでは?」と考え始めました。そこで本格的に学ぶために選んだのが 「アイブレイン塾」のオンライン教室でした。
■学びを深める中で気づいた“思い込み”
2ヵ月間のオンライン講座。A子さんは次々と質問し、個別相談も積極的に活用して理解を深めていきました。
ビジョントレーニングは遊びのようでありながら、深く、奥行きのある内容。目の動きや、視覚と脳の協調を整える訓練が中心です。
学びを進める中で、A子さんは大きな“思い込み”に気づきます。
「娘も自分と同じように見えているはず」その思い込みが、娘さんの困りごとの本質を見えにくくしていたことに気づいたのです。
改めて娘さんの“見え方”を細かく聞いてみると…
・黒板の字は見えるのに、手元の文字がにじんで見える
・本を読んでいると、行の最後から次の行の最初に目を動かせない
・手でつかめるはずの物に手が届かない(距離感や奥行きが合わない)
A子さんは「見え方が違う」という事実に衝撃を受けました。

■半年間の実践で見えてきた変化
そこから半年間、A子さんは学んだことを娘さんに無理のない範囲で実践しました。
1)毎日のビジョントレーニング
2)空間認知を育てる遊び
3)体の感覚を育てる屋外活動
4)姿勢や目の動きを整える習慣づくり
コツコツと積み重ねていくうちに、少しずつ変化が見られました。
・漢字を升目に合わせて書けるようになった
・行を飛ばさず音読できる日が増えた
・食事中のこぼしが大幅に減った
生活面のつまずきが“目に見えて”改善していったのです。
■一番大きく変わったのは、A子さん自身
娘さんの変化は、もちろん嬉しいものでした。しかし、それと同時に大きな変化がA子さん自身にも起きました。以前のA子さんは、「どうしてできないの?」と、娘さんの努力不足や性格に結びつけてしまっていました。
今のA子さんは違います。
「どう見えているんだろう?」と立ち止まれるようになりました。
視点が変わると、関わり方が変わる。
関わり方が変わると、子どもが変わる。
そのことを身をもって実感したのです。
■視覚を理解することで、支援の質は大きく変わる
子どもの行動の背景には、必ず理由があります。しかし、視覚の問題は外から見えにくいため、見落とされがちです。
ー 見る力が弱い
- 見え方がズレている
- 情報処理が追いつかない
これらは、行動や学習に大きく影響します。
一方で視覚機能はトレーニングによって改善しやすい分野です。脳は柔らかく、環境によって変化しやすいからです。見る力が整えば、子どもの負担は減り、自信が育ちます。
■最後に ― 支援に関わる全ての人へ
A子さんと娘さんの物語は、私たちに大切なことを教えてくれます。
「見え方は、人によって違う」ということ。
そして、「見え方を理解すると、支援が根本から変わる」ということ。
あなたの周りの子どもたちは、どのように世界を見ているでしょうか?
ぜひ一度、こう考えてみてください。「この子には、どう見えているんだろう?」
その問いこそが、子どもの未来を明るくする第一歩になるかもしれません。見る力の理解が、発達支援・療育の質を確実に高めてくれます。
※この記事は、情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
【オンライン教室のご案内】
アイブレイン塾では、「見る力」を確認・改善・向上するための包括的なビジョントレーニングを学ぶことができるオンライン教室を開催しています。
『発達の凸凹を支援する指導者のためのビジョントレーニング教室』
まずは、無料セミナーにご参加ください。「見る力」と子供の発達発育の関連性や基本的なビジョントレーニングの方法が学べます。
『無料お試しセミナー』
